■第36回中山牝馬ステークス(GⅢ)

本競走は、中山競馬場と友好関係にあるローレルパーク競馬場との親善を深めるため1983年に創設された。創設より中山競馬場の芝1800メートルで5歳(現4歳)以上牝馬限定のハンデキャップ競走として行われている。2006年に4歳以上の牝馬重賞路線が整備され、春の女王決定戦として5月に「ヴィクトリアマイル」が新設されたため、本競走はその前哨戦に位置付けられている。
※上記JRAレースの歴史より抜粋

■第36回中山牝馬ステークス(GⅢ)

阪神競馬場施行の2011年を除く、同コース、同距離施行の過去20年分のデータより以下ファクターからの分析結果を見てみましょう。


人気からの傾向です。連対分布は15番人気まで広がっており、一筋縄でいかないことを窺わせています。1番人気の連対率は36.8%と微妙な感じですが、近年は2014年「フーラブライド」が1番人気で優勝、2016年「シュンドルボン」、2017年「マジックタイム」が2着となっており、信頼度は上がっています。平均単勝配当1060.5円、平均馬連配当7476.4円、最高単勝配当は2007年「マイネサマンサ」3110円、最高馬連配当は2003年3番人気「レディパステル」と14番人気「テンエイウイング」の組み合わせで34100円となっており、概ね額面通り捉えて問題ないと思います。予想のスタンスとしては、頭は人気サイド、連下は手広く10番人気以下も視野にいれるのがセオリーかもしれません。


馬齢からの傾向です。5歳馬の勝率、連対率共に抜けています。平均人気7.4に対し、平均着順が7.1と人気以上に走っており、馬券を購入する上で嬉しいデータもあります。7歳馬以上は苦戦する傾向にあり、出走データ自体が少ないですが、8歳馬以上は連対実績がありません。5歳馬を中心に軸を組み立てると、比較的、簡単に的中率が上がるかもしれません。


斤量からの傾向です。ハンデ戦ではありますが、軽量ハンデより、55.5kg以上の方が連対率が高く、ある程度「格」「実績」が直結することを窺わせています。但し55.5kg~57.0kgハンデの場合、平均人気4.1に対して、平均着順が6.4となっているため、人気を裏切っているケースも多く、「格」「実績」だけで判断するのは非常に危険です。該当馬は、年明け初戦の場合も多いと思われるため、臨戦過程を含め、総合的に判断することが必要です。



脚質、4角ポジションからの傾向です。「逃げ」「中団からの差し」の連対率が20%前後と顕著な分布となっています。面白いデータとしては、同レースの上がり3ハロン1位の該当馬は連対率50%となっているため、過去の同コース実績から思わぬ該当馬を発見出来るかもしれません。4角ポジションは1,2番手につけた場合、連対率はそれぞれ4角先頭が26.3%、4角2番手が20.3%となっているため、フルゲート多頭数の場合は騎手の技量や脚質なども考慮する必要がありそうです。補足として、今回は馬番からの傾向をアップしていませんが、1番から16番まで広く分布しており、極端な偏りはないことから、馬番については特に気にするファクターではありません。今回の予想には含めないデータではありますが、2番だけが連対実績がないということだけお伝えしておきます。


前走の出走クラスと着順からの傾向です。前走1着からの優勝馬はオープンクラス、下級クラス共に皆無です。ここ10年の傾向は、更に顕著で前走オープンクラスで5着以下に負けている該当馬の連対率が非常に高くなっており、24.3%となっています。1番人気馬が前走3着以内の場合の連対率は44.4%となっていますが、過去20年で、1番人気馬が前走4着以下だった場合の連対実績は、2006年「ヤマニンシュクル」が京都牝馬S(GⅢ)4着から優勝、1999年「メジロドーベル」が有馬記念(GⅠ)9着後から、2016年「ルージュバック」が有馬記念(GⅠ)10着から同レース2着の3例しかありません。また、前走が準オープンクラス(1600万下)で、且つ同レースを1番人気であったケース、及び前走4着以下で、且つ55.5kg以下の斤量、同レースを1番人気であったケース共に、連対実績はありません。

※以下「前走4着以下の1番人気馬」に於ける参考データ

2016年「ルージュバック」 戸崎騎手 56kg 有馬記念(GⅠ)10着から同レース2着
2013年「オールザットジャズ」 C.デムーロ騎手 56kg 日経新春杯(GⅡ)12着から同レース3着
2007年「アサヒライジング」 柴田善臣騎手 56.5kg エリザベス女王杯(GⅠ)5着から同レース13着 ※注1参考外
2006年「ヤマニンシュクル」 四位騎手 56kg 京都牝馬S(GⅢ)4着から同レース1着
2004年「ピースオブワールド」 福永騎手 54kg 京都牝馬S(GⅢ)6着から同レース12着
2003年「オースミコスモ」 武豊騎手 55.5kg 京都牝馬S(GⅢ)5着から同レース4着
2000年「ナリタルナパーク」 武豊騎手 55kg 京都牝馬S(GⅢ)4着から同レース8着
1999年「メジロドーベル」 吉田豊騎手 58.5kg 有馬記念(GⅠ)9着から同レース2着
※注1「アサヒライジング」は、このレースが、唯一重馬場で先手が奪えなかったレースで、良馬場であれば結果は大きく違っていたと思われるため、今回の予想ファクターとしては、参考外データとして扱います。

1番人気馬の取捨選択で迷うようであれば、「前走が重賞レース以外」「前走レースの着順が4着以下」「斤量が55.5kg以下」「中山コース初出走」など、上記ファクターを参考に、1番人気馬の取捨選択を考えてみるのは如何でしょうか。

上記より、砂短(satan)の推奨馬は以下の通りです。

砂短(satan)の推奨馬
砂短(satan)
「トーセンビクトリー」「マキシムドパリ」「エンジェルフェイス」「ゲッカコウ」「ワンプレスアウェイ」「カワキタエンカ」の6頭です。

※以下補足
※「エテルナミノル」は牝馬5歳、56kgも前走愛知杯勝ちがあるとはいえ、中山コースの連対実績は無し、前走54kgから56kgへ斤量も増え、マイナス条件が揃いました。重賞勝ちが前走の愛知杯(GⅢ)のみで、56kgを背負うだけの実績は無く、今回は見込まれすぎたと判断し、推奨馬より除外しております。
※「トーセンビクトリー」は昨年の優勝馬で前2走も中山コースを使っており、陣営も、このコースが合うと認識しているように思えます。連対実績の無い「2番枠」と56kgは少々見込まれた感があり、マイナス要素はあるものの、エリザベス女王杯(GⅠ)10着(0.6秒差)くらいの競馬をすれば、ここでも上位と判断し、推奨馬とさせていただきます。
※「マキシムドパリ」は自在性の脚質と安定した上がりが特長になるのですが、イマイチ決め手に欠けており、56kgは少々見込まれた感はありますが、上手く流れに乗って、中団より前めで競馬が出来ればの条件付きで、推奨馬とさせていただきます。
※「フロンティアクイーン」はマイルで3戦連続連対中ではありますが、距離が伸びると末が甘くなる傾向にあり、昨年のレースも3角から外を回って、一見伸びそうな気配はあったのですが、止まってしまうあたりは、やはりベストはマイル。鞍上の北村騎手も昨年同様のレースをする可能性が高く、昨年より1kg増えた斤量もマイナスと判断し、推奨馬より除外しております。
※「エンジェルフェイス」は勝ち星は全て逃げたケースのみ。フラワーカップで同コースの勝ち鞍もあり、三浦騎手が思い切ってハナに行くことがあれば連下くらいはあると判断し、推奨馬とさせていただきます。
※「ゲッカコウ」は同コース実績十分で、このコースしか走らないのではないかと思えるくらい、中山芝1800mの巧者です。逃げても、先団からでも連対実績があるため、他の逃げ馬と競合する必要も無く、鞍上も柴田大知騎手を起用したことで、スタート次第で出方を伺うことも可能だと思われます。「エンジェルフェイス」「カワキタエンカ」との兼ね合いもありますが、安定度や脚質の融通性もデータ上のプラス要素と判断し、推奨馬とさせていただきます。
※「レイホーロマンス」は前走の愛知杯(GⅢ)を51kgで2着も、軽量ハンデ、無欲の策が功を奏したのが要因とみています。今回は52kgも後方からの競馬が予想され、展開も不向き、ここでは厳しいと判断しております。また、過剰人気と思えるほど人気も先行しており、馬券的妙味も薄いことから、推奨馬より除外しております。
※「ワンプレスアウェイ」は同コースのスピカS(1600万下条件)のレース内容が優秀です。スピカS(1600万下条件)より斤量がマイナス1kgの54kgも魅力です。同様のレースが出来れば勝負けまでと判断し、推奨馬とさせていただきます。
※「オートクレール」は53kgは魅力も牝馬7歳、重賞はおろかオープンでの連対実績なし。ここでは足りないとみて推奨馬より除外しております。
※「カワキタエンカ」は脚質(逃げ)、ハンデは魅力も同コース初出走と他の逃げ馬との兼ね合いで、取捨選択に非常に迷った1頭です。秋華賞後のマイル戦を一叩き、その後の乗り込み具合から判断するとローズS(GⅡ)2着くらいは走れると判断し、推奨馬とさせていただきます。

砂短(satan)
最終決断はこちらよりご覧ください。
※障害競走・地方開催の重賞は含みません
※予想結果(予想印)につきましては、最強競馬ブログランキング(※外部サイト)で掲載しております。

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