■砂短白書~代償とその先①~

■砂短白書~代償とその先①~

代償(だいしょう)
他人に与えた損害のつぐないとして、それに相当する金品や労力を差し出すこと。
他人に代わって損害のつぐないをすること。
ある行為を成し遂げるために払う犠牲や損害。

数年前に生涯の伴侶を亡くし、自動車関連会社の女性管理職として頑張っていた「淀ちゃん」。
私とは、とあるスポーツを通し知り合い、かれこれ十数年のお付き合い。

最初のきっかけは、そのスポーツの小さな大会で「淀ちゃん」に声をかけられたこと。

当時キャリアも実績もそれなりにあった私に

淀ちゃん「すごい上手ですね」

「・・・」私

小学校へ通っている間は読書感想文が書けなかった私。
何を読んでも面白いのかつまらないのかも分からない。
結果
何も思わないし、何を書けば良いのかも分からない。

公言する程のことでもありませんが、人の感情を心から未だに理解出来ない私にとっては「淀ちゃん」との初対面の会話もスルーが日常。
人間らしい生活を送らせて頂き、今でこそ多少の緩和は見られますが、当時の私には当然の如く返す言葉が見つからない。

会話を繋げるコミュニケーションの必要性は感じながらも、頭の中では見つけようともしない。

「当時の淀ちゃんはどう思ったのか」

今現在、同様の行動を取れば、重箱の隅をつつく以上に詰められる事間違いなし。

「立場はどこでどう変わったのか」

今となってはただの笑い話です。

話は戻って

会話の続きは覚えていませんが
大会当日はお互いトーナメントに名を連ねる選手同士。
私は予選、本戦と勝ち抜き決勝戦へ。

相手はもちろん

「淀ちゃん」

ではありません。
どんな試合であったか。記憶が無いあたり、恐らく負けたのでしょう。
試合を見ていた「淀ちゃん」が再び声をかけてくる。

試合以上に恐怖でしたが、これが彼女と初対面の日の記憶。

それからは、いつの間にか私の競技仲間と練習している「淀ちゃん夫妻」を見かけることも多くなり、気付けば大会後は必ず飲みに行く仲間となっていました。

数年後・・・
お互いスポーツ選手としては引退し、ただの飲み仲間となっていたある日。
共通の知人から

「淀ちゃん、結構まずいらしいですよ」

の一言。

他の共通の知人へ連絡。「淀ちゃん」がメンタルに問題を抱え、休職中であることを知らされました。

「家族に助けを求めたのか」
「子供を頼っているのか」
「会社の仲間は」

そう思う以前に、そのどれでも無いと思う自信と、仮に誰かが声をかけたとしても、恐らく待っているのは

お決まりの「大丈夫」。

肝心な時に「駄目」「助けて」が言えない。

人の感情を心では理解は出来ませんが、行動パターンくらいは分かりました。

「電話をしてみよう」

思えばこの一本の電話がウェブサイトを手伝うきっかけでもあり、良かれと思った安易な行動の先は

「人の人生を中途半端に背負う」

ありきたりな言葉

「私の想像を超えたもの」

予測の更に上を行っていました。

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■砂短白書~代償とその先②~

2019年8月26日

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